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目の前のテーブルには
宮嶋お手製のビーフシチュー、
そして、俺が買って来たワインとチーズ。
ソファに宮嶋と並んで座ったら
そこはガタイのいいオトコ2人、
容赦なく膝が当たった。
「佐橋とはさ」
エプロンを外した宮嶋は、
ワイシャツの袖を元に戻しながら
俺に優しく問いかけてきた。
「2人きりで話したことなかったよな」
「うん、いつも秋津がいたし」
わずかな沈黙の後、
グラスにワインが注がれ、
宮嶋がグラスを持ち上げた。
「佐橋、誕生日おめでとう」
かちん、
音を立て、グラスを合わせると、
互いにワインを一口。
「ありがとう」
まだ緊張が解けない俺に気づいたのか、
宮嶋は俺の顔を笑顔で覗き込んだ。
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