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「俺の誕生日も祝ってくれる?」
「いつ?」
「12月18日」
「へえ‥‥」
「クリスマスに近いから、子供の頃は
いつもまとめて済まされちゃって。
寂しかったなあ」
「そうなんだー」
「シチュー冷めちゃうね、食べようか」
笑顔で皿に手を伸ばした宮嶋を横目に、
俺も皿を手に取った。
「秋津んち、食卓テーブルないんだな。
テーブルよりソファの方が位置が高いし、
何か落ち着かない」
と取ってつけたようなことを言ってから
ちらっと宮嶋を見た。
「ん?どうした、佐橋」
宮嶋はそれに気づき、俺と目を合わせる。
「い、いや、何でもない、」
せっかくの2人きりだというのに、
うまく言葉が出てこない。
俺は恥ずかしさと戦うために
シチューを頬張り、チーズを噛み、
ワインを煽った。
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