僕がBLゲームの主人公ですか!?

16/20
前へ
/20ページ
次へ
 「結翔、行かないで。」  俺の制服を右手で掴んだと思えば、体調不良とは思えないほどの力で引かれる。  「うおっ……朝陽?」  「ごめん、俺変なこと言ったよね。でも、俺ほんとだから……」  「ちょっと待て朝陽、俺怒ってねぇよ?だから落ち着けって。」    バツが悪そうに顔を逸らしながら言う朝陽。  「俺、好きだから。だから、嫉妬みたいな……ごめん、カッコ悪いよね。」  「は、はぁ……?いや、俺も好きだっての。」  「違うでしょ、結翔はそうは思ってない。」  ゆっくりと身体を起こし、俺の腕をがっしりと掴む。  その手はいつもより熱く、それほど身体がしんどいのか微かに震えていた。  「結翔は俺の事をただのクラスメイトとしか思ってない。」  ”クラスメイト”、”クラスメイト”?  何が違うんだ、と思った。  事実だろ、同じクラスで、同じ部活だ。  「ほら、やっぱりそう思ってる。」  そのとき初めて、朝陽の腕が震えていた理由が分かった気がした。  「俺は違うよ、ただのクラスメイトじゃないよ。 」
/20ページ

最初のコメントを投稿しよう!

52人が本棚に入れています
本棚に追加