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「はぁ〜あ、ほんとにやべぇよ……」
「ん?どーしたんですか結翔先輩、ため息なんてついちゃって。」
「んぁ、まじ?ため息ついてた?」
土曜日、真夏、炎天下のグラウンド。
「はい、珍しいですね。先輩練習中に落ち込んでるのって。」
「いや別に、落ち込んでる訳じゃねぇのよ。」
「あれですか、朝陽先輩が居ないからっすか?」
「うるせ、ちょっとは黙らねぇか。」
この生意気な後輩は、佐和湊。
俺の後輩で、俺と同じバドミントン部に所属しているピッチピチの1年生。
普段はしっかりしてるような奴だけど、たまに今みたいにからかってくるのがちょっと面倒。
……あ、そう。
そうそう、そうだよ。
察しの良い君たちならもう分かってると思うんだけど、コイツも一応攻略キャラね。
でも佐和……
女子にすごいモテそうだから、BLなんて縁がないと思ってたんだけどなぁ。
「大会に出る度に表彰されているだけありますね、ダブルスで。」
「はぁ?んなのたまたまだって。」
「いや、他校でも噂になってましたよ?結翔先輩と朝陽先輩のダブルスは脅威だって。」
「まぁ、今日はダブルス練習出来ねぇからなぁ。すげぇつまんねぇよ。」
「じゃあ、俺とやれば良いのに。」
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