僕がBLゲームの主人公ですか!?

19/20
前へ
/20ページ
次へ
 「は?お前と俺がダブルス?」  らしくなく、真面目な顔で突拍子もないこと言うから流石に驚いた。  「いいじゃん、今日朝陽先輩居ないんだし。ね?俺とやりません?」  意地悪げに微笑を浮かべながら、俺に近付いてきて腕を組む。  そしてギュッと引き寄せられたかと思えば、佐和に捕らえられた右腕とは逆、左手に持っていたラケットをひったくられる。  「おい、何やってんだよ?それ使うから返してくんねぇかなぁ。」  「いやですよ、何言ってるんですか。先輩が俺とダブルスしてくれるまで返しません。」  そう言ってラケットを天に高く掲げながら、ふふんと得意げな表情でこちらを見つめる。  「ねぇ先輩、返して欲しい?」  力任せにラケットを奪い返そうと両腕を伸ばすが、自身よりも背の高い佐和には到底叶いそうにない。  負けじと背伸びをすれば、相手もそれに応じて背伸びをする。  「おい、本当に返せ。」  「無理です。本当に返して欲しかったら、奪ってみてくださいよ。」  「だから、それが無理だから言ってんだろ?」  「先輩チビですもんね、そりゃあ俺には届かないか。」  「あ?んだと佐和お前?」  「きゃー、先輩厳つくて怖ーい。」  「てめぇ、もっかい言ってみろ?」
/20ページ

最初のコメントを投稿しよう!

52人が本棚に入れています
本棚に追加