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……後日、
「はぁ。」
「ちょっと、どうしたのよ結翔。そんなため息ついて。早くご飯食べちゃいなさいね、遅れちゃうわよ。」
「か、母さん……。」
俺は、
”朝陽、今日も迎えにくるのか?”
と送ったっきり既読すら付かないメールを睨みつけていた。
「あら、今日は朝陽くん来ないのね。いつももう早くに来ているのに。今日は風邪でも引いてるの?」
「ああ、えっと……」
風邪……ならまだ良かったんだけど……
いや、それはそれで朝陽がしんどい思いしてるのはダメなんだけど。
「あ、もしかして喧嘩でもしたの?ならさっさと謝んなさいね。どうせあなたが何か言ったんでしょ。」
母さん……あんた魔術師かなんかなの?
どうしてそんなに察しが良いのか不思議だ。
おかげでグラスを勢い良く掴んた手が一瞬震えて、落としそうになった。
「酷いなぁ、母さん。まだ何も話してないじゃないか。」
「もう、分かるわよそれくらい。あなたはいつもデリカシーがなくて頭が弱くて……」
「あーあー、分かった分かった!俺が悪いよ、謝っとくから!」
目玉焼きの乗ったトーストを食べ終わり、グラスに入ったハトムギ茶をぐっと飲み干す。
「早く学校行って謝ってくる!!」
「気を付けなさいね〜。」
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