君は凛々しかったよ

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 ある日、運転中にゲリラ雷雨にあった。 すごい雨だ。 あっという間に道路に水が溜まっていった。 しばらく車は反対車線に水しぶきが飛ばないようにノロノロ運転で進んで行った。 雷も鳴っている。 そうこうしているうちに木村さんが働いているあたりまで来た。 遠くに工事の人たちがすぐ近くの倉庫の軒下に並んで雨宿りしているのが目に入った。 工事機械に雷が落ちる可能性があるので、一時的に工事を中止しているんだと思った。 僕は何だかわからないけど、道路上の、300円パーキングに車を停車させて、傘をさしてその雨宿りしている所まで走っていた。 雨宿りの列の端っこに木村さんはいた。 木村さんは大雨の中、自分に走り寄る知らない男にびっくりしたようだった。
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