君は凛々しかったよ

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 「じゃあ、雷も行っちゃったから作業を再開するよ」 親方から大きな声がかかった。 木村さんは僕があげたコーヒーの缶を少し持ち上げて 「ご馳走様でした。ありがとう。今度、あの車を見たら合図するね」 笑ってそう言って、仕事場に戻って行った。 僕は雨が止み不要になった傘の水滴を払いながら黄色い車にもどるために歩き出した。 振り向くと木村さんは、ヘルメットを被り仕事に戻っていた。 ただただ凛々しいと思った。
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