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2.
「関係あるのか?」
「ある! 大いにある! ビタミン系やたんぱく質、ミネラルを十分に摂取していれば、治りが早いんだよ」
「やたら詳しいな」
「そ、そりゃ⋯⋯その⋯⋯そう! 家庭科の授業でやっていたからな! 兄貴だってやっただろ!」
「覚えているほど真面目に授業を受けてない」
ズバッと言い返すと、「⋯⋯そうか!」と妙に反応に困ったというような返事をした。
そんな返ししかできなくなるなら、最初から反応をしなければいいのに。
気まずそうにしている奴を尻目にため息を吐いた祥也は、今日は何をしていようかと思案していた時、組んだ足の上に乗せていたジルヴァが、「⋯⋯ごめんなさい」と呟いた。
「ぼくのせいで、しょーやさまにけがをさせてしまいました⋯⋯おしごともおやすみにさせて、ごめんなさい」
うっうっとしゃくり声混じりに泣くジルヴァの頭の上に手を置いた。
「仕事でなかなか構えないお前といられる機会ができたんだ。泣くな」
「そうそう、怪我したっていうのを口実にいつも以上に、ジルヴァのことをもっふもふするチャンスができたんだし!」
「お前の口、縫うぞ」
「匡って呼んでくれないの? おにーちゃん」
握った両手を顎に添え、首を傾げてみせる弟に怒りが湧いてきた。
あの祭りの時、ほぼ無意識にこいつの名前を呼んでいたようだった。そう、ほぼ無意識なのだからこちらが呼んだとは認めない。というより、認めさせない。
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