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「……違った?」
「あ、いや……その、ごめん」
「……いや、なんで謝んの?」
すると、僕の謝罪に呆れたように微笑み尋ねる音咲くん。……えっと、ひょっとしてバレてた? でも、決して覗いてたわけではな――
「……別に、見えてたとかじゃないよ。ただ、場所的にもタイミング的にも、聞こえててもおかしくないかなって。いつも由良が中庭に来る方向から考えても、たぶんあの辺を通ってるんだろうとは思ってたし」
「……な、なるほど」
すると、僕の心中を察したようにそう告げてくれる音咲くん。……そっか、良かった……いや、良かったっていうのもおかしいか。
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