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――それから、二週間ほど経て。
「……資格、か」
黄昏の染まる空の下、閑散とした住宅街を進みながらポツリと呟く。何の話かと言うと……まあ、説明不要かと思うけど、あの時の音咲くんの台詞に関してで。
『――俺には、人を好きになる資格なんてないんだ』
刹那、ズキリと胸が痛む。……どうか、そんなことを言わないでほしい。そんな悲痛な表情で、そんな悲しいことを……どうか、言わないでほしい。……それに、あの表情、どこかで――
「…………ん?」
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