伝えたかった言葉

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伝えたかった言葉

「……なんで、お前が……てか、いつから……」 「……うん、ついさっきかな。その、先生に……ってどうしたの先生!? なんか、血が出てるけど!!」 「……あ、いや……うん、ちょっと階段で転んじゃってね」 「そうなの!? ……えっと、大丈夫?」 「うん、大丈夫だよ。ありがとう杉崎(すぎさき)くん。だけど、それよりも……」 「あっ、うん!」  そんなやりとりの後、再び音咲くんへと視線を移す杉崎くん。……ふぅ、あぶないあぶない。良かった、あの場面(シーン)を見られてなくて。……ただ、我ながらごまかし方がひどい。杉崎くんが素直でほんと良かった。  ともあれ、再び音咲くんをじっと見つめる杉崎くん。そして―― 「……その、成海(なるみ)くん。ほんとに……本当に今更なんだけど……その、ほんとにごめん!」  
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