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ほどなく、ゆっくり扉を閉め教室を後にする僕。そして、少し歩みを進め角を曲がったところで――
「……お待たせ、蒔野さん」
「……いや、お待たせも何も……私が、勝手に聞き耳立ててただけですし」
「……まあ、それでもだよ」
そう伝えると、少し面映ゆそうに答える清麗な少女。きっとさっきまでは扉の近くにいたんだろうけど、ここまで移動してきたのは……まあ、僕と同じ理由だろう。そして、そもそも彼女が来ていた理由も――
「……もう、大丈夫ですね。あのお二人も」
「……うん、そうだね」
そう、柔らかな微笑で告げる蒔野さん。そんな彼女に、僕も微笑み頷いた。
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