再会

1/4
前へ
/135ページ
次へ

再会

 ――それから、およそ一ヶ月経て。 「――ご無沙汰です、由良(ゆら)先生。そして、申し訳ありません。お忙しい中、こうして呼び出してしまって」 「……ううん、むしろ僕は嬉しいくらいだよ。連絡をくれたことも……こうして、久しぶりに会えたことも」  そう、淡く微笑み告げる清麗な少女。今は、一年で最も昼間(ひる)が長いとされる六月下旬。だけど、空はもうすっかり黄昏に染まっていて。  そして、僕らがいるのは屋上。一ヶ月ほど前まで、目の前の少女――蒔野(まきの)さんと昼食を共にしていた屋上。そして、彼女は今、そのフェンスの前で微笑を浮かべ佇んでいて。
/135ページ

最初のコメントを投稿しよう!

18人が本棚に入れています
本棚に追加