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再会
――それから、およそ一ヶ月経て。
「――ご無沙汰です、由良先生。そして、申し訳ありません。お忙しい中、こうして呼び出してしまって」
「……ううん、むしろ僕は嬉しいくらいだよ。連絡をくれたことも……こうして、久しぶりに会えたことも」
そう、淡く微笑み告げる清麗な少女。今は、一年で最も昼間が長いとされる六月下旬。だけど、空はもうすっかり黄昏に染まっていて。
そして、僕らがいるのは屋上。一ヶ月ほど前まで、目の前の少女――蒔野さんと昼食を共にしていた屋上。そして、彼女は今、そのフェンスの前で微笑を浮かべ佇んでいて。
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