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「うわっ眩し!」
扉が開いた瞬間、お決まりの展開を、体験出来た事に嬉しさを感じる。期待して中に入ると、目の前に広がっていたのは、大きいショッピングモールにありそうなフードコーナーだった。椅子と机は大小異なり、お店は見覚えあるチェーン店が、6・7軒並んでいた。右端には、子供を遊ばせてそうな風船いっぱいの部屋があり、ピンク色のうさぎの着ぐるみを着た人がたっていた。
(え、何ここ。あれ、僕、間違えた?)
後ろを振り向いても、扉は無くなっていた。僕が混乱していると、うさぎの着ぐるみが走ってきた。
(怖っ!!)
恐怖で必死に逃げる。が、すぐに追いつかれ、摘まれてしまった。僕は宙に浮き、少しずつ回転される。
(誰か!助けて!!)
声が出せなくなっていた。そして、着ぐるみと目が合う。
(近っ!!怖っ!!)
僕は体をうねらせ、逃げようとするも無理だった。すると、
「こんにちは。新人さん。驚かせてごめんなさい。ここのコンセプトなんです」
可愛らしい声がした。
「安心してください。取って食べたりしませんから。椅子と机は大小あるでしょう?ここは皆さんが、休憩で食事をする所です」
着ぐるみは、僕をそっと手のひらに乗せる。
「申し遅れました。わたくしは案内人、白いうさぎと書いて、ハクトと申します。ピンク色をしたうさぎの着ぐるみですが、よろしくお願いします」
(ややこしい…)
「わかっていますよ。表情はわからなくても、今までたくさんの方から言われましたから。ややこしいと思いましたね?」
そう言いながら、顔を近ずけてきた。
(近いな!凄く圧を感じる!)
「それはそうと、その姿、詐欺に合われた方じゃないですか。お気の毒に。ですが、懸命にも訓練して生き延びようとしてる姿、素敵だと思います。こちらにいる限り、及ばずながら、サポートさせて頂きます」
「ありがとうございます。あれ、声が出た」
「ふっふっふっ、すごいでしょう?声を無くしたのは、わたくしの能力なんです。みーんな、逃げようとするので…いっそ、助かることが出来ない状況に、してしまおうかなって♡」
「言動が所々怖いって!だから、逃げたくなるんですよ!」
「うぅ、酷いです。次は、一生身動きが出来なくなるようにしますよ?」
「すみません。やめて下さい!」
「わかればよろしい。では本題に移りますね」
「その前に、助かることが出来ない状況って言っていましたが、僕の場合、動けましたよ?もし僕が、素早く動けたり、瞬間移動出来たとしたら?」
「その場合、身動き取れなくなっています。あくまで『助からない状況』なので、相手によって異なります」
「便利ですね」
「ありがとうございます。…褒めたって、ひいきは禁止行為なので行いませんからね!」
「仮に行ったとしたら?」
「天界裁判にかけられて、罰せられます」
「どのような?」
「罪によって異なりますが…最悪、地獄行きになったりでしょうか」
「あ、やっぱりそういうの、あるんですね!」
「嬉しそうな声で言わないでください。それと、せんさくは、あまりし過ぎない方がいいですよ?」
「すみません…」
「コホン、本題に入っていいですか?」
「お願いします」
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