1巻 あらすじ

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5分くらい進んだところに、フードコーナーにあったお店が、小さくなって並んでいた。 「ここが、僕たちのような小さい者専用のフードコーナー。もともとむこうで休憩してたけど、色々あってね。新しく用意されたんだ」 「そうなんですね」 「ここにある店以外でも、ハクさんに言えば、出してもらえるぞ」 「あくまで、近いものだけどね」 「へぇ、凄いですね!」 「なぁ、買い方まで説明してもらったか?」 「いえ、まだです」 「新入りの食べたいものは?」 「まだ決めていなくて…」 「じゃ、今回は悪いけど、俺たちに合わせてくれ。奢るからさ」 そう言って林さんは先に行ってしまった。 「ミミズくんはここで待ってて」 「買い方は教えてくれないんですか?」 「買い方は次、かな」 橋波さんも急いで行ってしまった。 (僕がこの姿だからかな) そんな事を考えていると、後ろから 「お待たせー!」 林さんはどんぶりがのったトレーを、2つ持って帰ってきた。 「はい、新入りのぶん!」 そう言われ、差し出されたトレーは、蓋のしまったどんぶり。林さんは向かいに座る。丼物なんて、何ヶ月ぶりだろうか。中には何が入っているのかという期待に、気持ちが高鳴る。 「ごめん、お待たせ」 そのすぐ後に、橋波さんが帰ってきた。同じく蓋のしまったどんぶり。橋波さんは林さんの隣に座る。 「よし!じゃあ、待望の瞬間だ。いざ、オープン!」 そう言って、林さんは、僕のどんぶりの蓋を開けた。
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