4人が本棚に入れています
本棚に追加
5分くらい進んだところに、フードコーナーにあったお店が、小さくなって並んでいた。
「ここが、僕たちのような小さい者専用のフードコーナー。もともとむこうで休憩してたけど、色々あってね。新しく用意されたんだ」
「そうなんですね」
「ここにある店以外でも、ハクさんに言えば、出してもらえるぞ」
「あくまで、近いものだけどね」
「へぇ、凄いですね!」
「なぁ、買い方まで説明してもらったか?」
「いえ、まだです」
「新入りの食べたいものは?」
「まだ決めていなくて…」
「じゃ、今回は悪いけど、俺たちに合わせてくれ。奢るからさ」
そう言って林さんは先に行ってしまった。
「ミミズくんはここで待ってて」
「買い方は教えてくれないんですか?」
「買い方は次、かな」
橋波さんも急いで行ってしまった。
(僕がこの姿だからかな)
そんな事を考えていると、後ろから
「お待たせー!」
林さんはどんぶりがのったトレーを、2つ持って帰ってきた。
「はい、新入りのぶん!」
そう言われ、差し出されたトレーは、蓋のしまったどんぶり。林さんは向かいに座る。丼物なんて、何ヶ月ぶりだろうか。中には何が入っているのかという期待に、気持ちが高鳴る。
「ごめん、お待たせ」
そのすぐ後に、橋波さんが帰ってきた。同じく蓋のしまったどんぶり。橋波さんは林さんの隣に座る。
「よし!じゃあ、待望の瞬間だ。いざ、オープン!」
そう言って、林さんは、僕のどんぶりの蓋を開けた。
最初のコメントを投稿しよう!