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「ぷふっ。おっと失礼、初めまして」
僕が目を覚ますと、そこには、座っている中性的な姿をした女神?様がいた。
「あはは!とても不機嫌そうな顔だね。ごめんごめん。でも、君の姿が面白くて。慣れるまで耐えられそうにない。ははは!」
爆笑しながら、陽気に話しかけてくる。
「はー、笑った笑った!楽しませてくれてありがとう」
「好きでこの姿になった訳では無いです!」
「お!君、話せるんだね!よく見たら、人間だった頃もあるのかぁ。へぇー。ぷ、はははは!!」
(すごく馬鹿にされている)
女神?様は何か資料を見て、また笑い出した。
「待って、待って!転生ミミズって!君、何やらかしたの?殺人?ちょーうける!ははははは!!」
「ウケませんし、殺人もしてません!!」
「あちゃー、詐欺にあったのねー。いやぁ、僕、君が好きになったよ!」
「僕は嫌いになりました」
「冷たいなぁ、気軽に僕のことは『リン』って呼んでくれていいからさ。仲良くしてよ」
(以前の女神にしろ、この世界の女神は気遣いは無いんだろうか。詐欺師の方が、女神様っぽかったぞ!)
なんて思っていると、
「担当女神は、アリスちゃんかぁ。へぇ」
急に真面目な顔になる女神?は話を続ける。
「あの子には、優しくしてあげてね」
と、優しい口調で言った。
「それはそうと、君!僕の方をじっと見てしかめっ面してるけど、一体何が不満なのかな?」
「全部です」
「全部って言われてもなぁ。困ったなぁ。いい事教えてあげようと思ったけど、辞めようかなぁ」
「そんなふうに言わないで、教えてください」
「どおっしよっかなぁ」
楽しそうににやけている。
「焦らさないでください!」
「じゃ、不満な理由、答えてくれたら教えてあげてもいいよ。ふ・ま・んだから、3つ答えてね。まずふ!」
僕が怪訝な顔をしていると、女神?は続けた。
「僕は、見た目は女だけど、中身はどっちでもないから好きに呼んでいいよ!『リンくん』でも『リンちゃん』でも」
「めが「それは無しね」
僕の言葉をさえぎり、続ける。
「僕は、名前で呼ばれることに関しては、何も言わないよ?でもね。女神って女の神って書くでしょ?それは許せないんだよね」
「じゃあ、神様でもいいですか?」
「神ではないから、それもなんか嫌かな。君だって、人間って言われて嬉しい?嬉しくないでしょ?それと同じだよ」
(確かに。そう言われると嫌かも)
「すみませんでした」
「良いよ!僕は寛大だからね。君の愚行も許してあげよう。1つ賢くなれて良かったね」
万遍の笑みで言ってきた。
(所々、腹立たしい)
「ところで、ひとつ聞いていいですか?」
「なぁに?」
「ここ、どこですか?」
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