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部活はバスケット
目的とは程遠い結果だが、名前がわかっただけで、少しだけ満足した翼は、それ以上は奇跡を信じて待つしかない。想いが通じれば、神様はきっと何処かで会わせてくれるとポジティブに考えて、高校生生活を楽しむことに方向転換。
以前からやってみたかったバスケットボール部に入った。
動き回ることが大好きな翼にとっては、バスケットボールはとても楽しい部活だった。
あっという間に1学期も終わり、夏休みの連日、体育館で汗だくになり、走り回る翼がいた。
部活が終わり帰ろうとしていたとき、上級生たちが騒がしく、落ち着きがなくなっていた。
1人の上級生が
「今日、コウ先輩が来てるのよ。早く男子の方へ見に行こうよ」
翼は、隣りにいた同期の部員、井上 佳純に
「コウ先輩って誰?」
「今年卒業した男子バスケット部のOBらしいよ、何でもすごくカッコよくて、バスケも上手だったんだって。今日、男子の練習見に来てるらしい」
「へぇ~、そうなんだ。私は興味ないから帰ろうっと」
ソワソワしている他の部員たちを尻目にして、汗だくの顔を洗おうと、水飲み場でバシャバシャと無造作に顔を洗っていると、後に人の気配が…
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