再会を期待して

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再会を期待して

受験勉強は、今までより少しだけ机に向かう時間を増やし、塾には毎日真面目に通った。おかげで、学期試験はまずまずの出来、内申書の評価も良いはずと、順調に進んでいた。 そんな勉強の合間にも、必ず学校の行き帰りは、ネイビーの雨傘の男子高校生チェックは必須であった。 ナチュラルショ―トのなびくような髪型に、背丈も180cmくらいかと見れば、そっと傍に寄り顔を覗き見。 違う! ふぁ~… また、紺色の雨傘をみれば、必ず急いで前に回りチェック! と言っても、紺色の傘は計り知れなく多く、走り回るこれが一苦労。 全然いない! なんでぇ〜? あの日の出来事は夢だったのかと思うほど、出会えなかった。 そして受験当日。初めて国際高校に入り、受かればきっと会えると思うと、ドキドキよりワクワクの方が先行していたおかげで、落ち着いていられた。 そして…見事合格!
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