あなたが嚙んだ指

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「すっごいな。もう、グショグショじゃん」 「や、見るな……尊」 指と指を絡めたまま、尊の頭が下へと降りていく。 恥ずかしいことになっている場所を覗き込まれて、羞恥に頬が染まっていくのがわかる。 頬どころじゃない。 全身が熱くて……その熱さは新たな刺激を生んでいく。 「もう、見るな……っ」 「でもさ。ココ。もう辛そうだけど」 ふ、っと尊の息が吹きかけられた瞬間、昂ぶりはあっけないほどに弾けた。 「あ、やあ……っ!」 生暖かい液体が下着をぬらしていくのがわかった。ヌメる感触が気持ち悪い。 「あ、……あ。あ」 規則正しい痙攣が治まって、おれは情けなさのあまり消えてしまいくなる。 「晃」 絡めたままの指に力がこもった。 「見るな」 反対の腕で顔を隠すけど、すぐにそれを取られてしまう。 「見せろよ」 「やだ」 だけど力で尊に適うはずがない。 無残にもほてった顔を覗き込まれてしまった。 「気持ち良さそうだったね」 「……っ」 そのまま唇を奪われる。 「もっと___見せろよ」 尊の瞳がキラリと光る。 「昔っから晃は変わらないのな__ヨワイトコロ」 尊が楽しそうにおれの服を剥いで、ベッドの下に落としていく。その度に反応するおれを見ては、満足そうに口元をゆがめた。 「ホラ、こうやってさ。ただ、服を脱がせてるだけなのに」 「あ……ッ」 ピクリと跳ねる体を押さえきれない。 「おれが触れば、お前は全身で喜ぶんだ」 「……っ」 反論できない。 それは本当のことだ。 尊が近くにいる。その存在を感じるだけでおれはサカリがついたように尊を求めてしまう。 「ほら、おれのことはどうすんの?」 そういざなわれると、抵抗なんかする気も起きない。 犬のように這って、尊の側へと寄る。 一枚一枚と脱がせていくと、尊の逞しいからだが目の前に現れてめまいがしそうだ。 尊からかもし出されるそのオスの匂いに頭の芯がぼやけていき そのまま尊の足の間へと顔を埋めた。
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