草オイシー!

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草オイシー!

彼は、目の前に現れたその草を触ったり、匂いを嗅いだりしていた。 響「あれれ〜?昨日までこんな草生えてなかったよね?なんでこんな所に君は生えているのかな。クンクン…おお!おいしそうな匂いだぁ!」 母「あ、あなた?いま響があの変な草を見ながら美味しそうな匂いって言いませんでした? なんだか私、とっても嫌な胸騒ぎがするんですけど!」 父「さすがに君の考えすぎではないかと正直思いたい。思いたいんだが、まさか本当にあの子は…」 響「なんでだろう〜?どうしても君から目が話せないやぁ。まるで[早く食べて]と言われているみたい! うん…匂いをかいだらもっと食べたくなってきた!これでまずかったら君のことはいちゃうからね?モグモグモグ…」 父・母「「…食べたーー!?」」 響「ムグムグ!ゴクッ……この草オイシーー!!」  ドア付近から絶叫している両親の存在に気づかないのか、5色の草を食べた彼は、まるで狂ったかのようにその場でおかしな格好で歌って踊りだす。 やがて体力をすべて使い果たすと、その場で静かに息を引き取った! 父・母「「響ぃ〜〜!?」」  最悪の想像が当たってしまった両親は、真っ先に息子を止めなかったことに激しく後悔し、号泣した。 同時に、息子である響の心境を最後まで見抜けなかった悔しさと、自身の理解不足が招いた結果なのだと、二人は息を引き取った息子を強く抱きしめる…
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