涙よ届け

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ブログの内容は壮絶だった。 とある17歳の夏。 怪我をしてバスケができなくなった苦悩から、母は死のうとして 夜の海へ行った。 そこで浜辺を歩きながら歌う父と出会った。 母は、その歌に心がゆさぶられて泣いた......。 父は、そんな母を受け止めて、話しを聞いてあげた。 そして住まいも通っている高校も近いのだと判明した。 「俺、バンドしててさ、海の家でメンバーとバイトしてるんだ。 ねえ、いまは死なないでよ、秋の学園祭でステージやるからさ、 それを観にきてよ。生きてて良かったって思えるもの見せるから!」 そんな約束をして2人は別れた。 母は本当に学園祭に来てくれた。 父は母をみつけて緊張して何度もミスをしてしまった。 それでも母は泣いていた。 「生きてて良かった」と、言ってくれたそうだ。
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