涙よ届け

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気づけば置かれていた箱ティッシュを、何度も使用した。 何度も泣いて、何度も涙をぬぐって、ティッシュで鼻を噛んだ。 丁寧にティッシュを捨てる小さなゴミ箱も、しらないあいだに 足元に置かれていた。 僕は父のブログを読み切った。 そしてまた流れた涙をティッシュで拭いた。 何度、鼻の奥がツーンと痛くなって泣いただろう? 丸型のプラスチックのゴミ箱はティッシュで埋め尽くされている。 ここが涙を補完する場所なのだとしたら。 僕の人生の涙も増えていくのだろうか? だとしたら、今夜の涙の量は......大きな瓶が必要になるだろう。
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