ある配達員

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 ある日の夕暮れ。  学校帰りの学生達がとある話題で盛り上がっていた。 「ねえ、知ってる? あの配達員の話」 「知ってる知ってる。すっごい笑顔で自転車を爆速で走らせてるんでしょ」 「そうそう、届けなきゃ、届けなきゃとか言って」 「何それ、やっばぁ」 「ね、死んでんのにさ。トラック? 即死だっけ?」 「知らないけど、そんななってまで届けたいかなぁ?」 「他にやることないんでしょ。やばくない?」 「てか、そんだけやんなきゃ生きてけないってこと?」 「いや、死んでんのよ」 「マジじゃん。やばぁ」  学生達のケタケタいう笑い声は、夕暮れの空へと消えていったのだった。
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