15人が本棚に入れています
本棚に追加
部屋に着くとまさかのスイートルーム。
私の住んでるアパートより何倍も広い部屋。高級すぎる部屋に普段ならびっくりして動けなくなるがお酒のせいだろうか。気分が良くて仕方がない。大きな窓に目を奪われ景色を見ると街を一望できた。まさに絶景だった。大きなガラス張りの窓からは都会の夜景が一望できネオンがキラキラと光る。
都会生活2年目、キラキラと輝く街並みは言葉を失うほど綺麗だった。
「久方さぁん!すごいですねぇ。こんな綺麗な夜景初めてです」
「えぇ。綺麗ですね」
その瞳には夜景が映っておらず、何か違うものに向いているようなそんな気がした。不思議に思ったが夜景を眺めていると不意に腰を引き寄せられる。
「‥ひさぁ‥かたさん?」
「本当に綺麗です。一歌さん」
近づいてくる久方さんの顔を眺めていたら唇には柔らかい感触。初めての感触に身体の反応が遅れる。久方さんの紅蓮の瞳が私だけを射抜き近すぎる距離と唇の柔らかさにキスされた事にやっと気づいた。
「‥ッ、ひ‥さかたさんっ!」
なんとか唇を離し僅かに距離を作る。キスをされた衝撃で酔いが少し覚めたが離れようとしてもうまく力が入らない。
「‥こういう事は好きな人とじゃないと」
「私は一歌さんのこと好きですよ」
慈しむような優しい瞳は熱が籠っている。長く見つめ合いたくなくて視線を逸らす。
「‥‥わ、たしっ‥たち今日会ったばかりですよ?」
素面だったらすぐに抜け出せる相手のはずが酒に酔うと体の言うことが効かない。腰回りに手を回され更に引き寄せられる。
「いいえ、私は貴女を知ってますよ」
「え?」
気になりすぎる言葉は大きいソファーに押し倒され遮られた。ふかふかの素材に包まれ、目の前には情欲に満ちた瞳。
最初のコメントを投稿しよう!