不安と期待

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不安と期待

獅将(しおん)を抱いた日から今日まで時間があればずっと一緒に居た。 後3日とは言え、いつヒート状態になるかわからない以上、離れるわけにはいかない。 もし、誰かに発情した事が分かれば、Ωの獅将(しおん)は襲われ、犯され、よからぬαと番になってしまう。 そう思うだけで、落ち着いて授業など出来るわけもなく、研究室に獅将(しおん)を呼んで、獅将(しおん)の変化に目を光らせた。 そして、予想通り三日目に獅将(しおん)の体に変化が起き始めた。 甘く誘うような香りが部屋中に漂い始め、獅将(しおん)の表情が変わった。 目はとろんとなり、もどかしそうに体を揺する。微かに漏らすため息まで、αを誘うように聞こえる。 急いで研究室を出ると、獅将(しおん)の部屋へ向かった。 ベッドに獅将(しおん)を下ろすと、すぐに服を脱がし張り詰めたペニスを解放した。 トロトロと流れ出る滴からは、甘い匂いがしていた。 獅将(しおん)の上に覆い被さり、噛みつくような激しいキスをした。 獅将(しおん)が苦しそうに顔を歪めても、我慢は出来なかった。 自分でも制御できない熱い感情と、身体が燃え上がるように獅将(しおん)を求めていた。 馬乗りになった獅将(しおん)の股間は張り詰め、快楽と興奮を求めて震えていた。 ひくつく後ろに指を潜り込ませ、卑猥な音を立てながら指を動かせば、獅将(しおん)の身体がのけぞった。 指を抜き、ひくつく穴にゆっくりと挿入し、根元まで埋め込んだ。 大きく息を吐き、徐々に腰をグラインドさせる、信じられないほどの快感が足の指先一本にまで駆け巡る。 中に収めていた熱を引き出し、勢いよく再び中へ押し込めた。 強い突き上げに、獅将(しおん)が腰を浮かせて声を上げた。 ぶるぶると震える獅将(しおん)は喉をのけぞらせ、身体を震わせながら射精した。 潤んだ中を熱くたぎったペニスで擦ると、達したばかりの獅将(しおん)のペニスが再び硬くなって、腰の動きに合わせて揺れた。 あられもない声をあげ、獅将(しおん)の腰を掴み、激しく腰を打ちつけた。 一瞬動きを止め、快感のため息と共に獅将(しおん)の中に射精した。 振り向いた獅将(しおん)が、呟くように囁いた。 「愛してる(れい)、お前に抱かれるなんて夢みたいだ」 「俺も・・・・・ずっとお前を探していた。番になってくれるか?」 獅将(しおん)がうなづいたと同時に、獅将(しおん)の首筋に噛みついた。 まるで吸血鬼が血液を求めて、牙を突き刺すように、獅将(しおん)の首に赤黒い歯型を残した。 紅く滲んだ噛み跡が、二人の絆の証だった。 「獅将(しおん)、お前は永遠に俺のものだ」 「(れい)・・・・・」 探し求めた運命の番は、子供の頃のまま自分のそばにいる。 愛しい獅将(しおん)にもう一度熱い口づけを送った。
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