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穏やかな晴れの日。
燦燦と降り注ぐ太陽の光。
豪快に体をすり抜けていく真夏の風。
あぁ気持ちいいな。
ふと小さい頃のことを思い出す。
夏祭りに行きたいと浴衣を着せてもらったあの日。
りんご飴が欲しいと駄々をこねて親を困らせてしまった。
暑いねなんて言いつつ飴を食べながら花火を見た。
美しい花火だった。
あの甘酸っぱくも幸せな思い出。
幸せな日々。
穏やかな日々。
そうか、幸福とはこんなに些細な事だったのか・・。
自分には何もないと絶望していたなんてバカバカしい事だったと気づく。
何故もっと早く当たり前にあった幸せに気付かなかったのか。
人生はいつでもやり直せるんだ!
目の前を見ると物凄い速さで灰色のアスファルトが迫ってくる。
手すりを乗り越える8秒前なら確かに人生をやり直せてたはずなのに。
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