7人が本棚に入れています
本棚に追加
「ぼくたち、ともだちだからね」
タケルは、ぷにゅぷにゅをだきしめ、ベッドにこしかけた。
ぷにゅぷにゅは、もう、かたほうのてのひらにのってしまうほど小さくなっていた。それでも、すりすりとタケルの手にあまえ、キューキューと声をだした。
「だいすき。だいすき。もっとしっしょにいたかったよ。だいすきだよ、ぷにゅぷにゅ」
「キュー」
それが、ぷにゅぷにゅのさいごのへんじだった。
小さな声をあげると、どんどんと青い色がうすくなり、どんどんとちいさくなっていく。
色がなくなったとおもったとき、ぷにゅぷにゅはすうっと消えて、あとに、ちいさなちいさな空っぽの玉がのこった。
「わあっ」
タケルは、のこされた玉をそっとにぎりしめると、わあわあとなきたいだけないた。ないてないて、もうなみだがでなくなると、手をひらいた。
「ぷにゅぷにゅ。ぼく、わすれないから」
タケルは、その玉を、ずっとずっと大切にするとこころにきめた。
最初のコメントを投稿しよう!