ぷにゅぷにゅ

1/5
前へ
/5ページ
次へ
 タケルは走った。じりじりとあつい空気の中、すぐに息があがり、すってもすっても足りないくらいのさんそをもやして走った。  「ぷにゅぷにゅが死んじゃう!」 そうさけんで、ぷにゅぷにゅをりょうてにかかえて、げんかんを飛び出してから、もう一時間は走り続けている。それでも、まだ小さいタケルは、同じところを何度もまわったり、少しほそい道にはいるのにとまどったり、うまくもくてきの人物を見つけられないでいる。  「まだこの町にいるっていってた。でもどこにいるんだろう」 もう走れなくなったタケルは、前かがみになって、息をすえるだけすった。  あかるかった空は、急にくらくなり、ぶあつい雲がすぐそこにある。  「そうだ、あのときも、こんなかんじだった」
/5ページ

最初のコメントを投稿しよう!

7人が本棚に入れています
本棚に追加