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タケルは走った。じりじりとあつい空気の中、すぐに息があがり、すってもすっても足りないくらいのさんそをもやして走った。
「ぷにゅぷにゅが死んじゃう!」
そうさけんで、ぷにゅぷにゅをりょうてにかかえて、げんかんを飛び出してから、もう一時間は走り続けている。それでも、まだ小さいタケルは、同じところを何度もまわったり、少しほそい道にはいるのにとまどったり、うまくもくてきの人物を見つけられないでいる。
「まだこの町にいるっていってた。でもどこにいるんだろう」
もう走れなくなったタケルは、前かがみになって、息をすえるだけすった。
あかるかった空は、急にくらくなり、ぶあつい雲がすぐそこにある。
「そうだ、あのときも、こんなかんじだった」
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