「乾いた花 〈UNDERGROUND〉」※過激表現あり 雷人先生

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「乾いた花 〈UNDERGROUND〉」※過激表現あり 雷人先生

++++++++ | 基本情報 | ++++++++ https://estar.jp/novels/26059132 完結済 所要時間:38分 (22,284文字) ジャンル:ヒューマンドラマ 過激表現:あり ※18歳未満はお断りだぜ あらすじ: 新宿歌舞伎町の深淵にある雑居ビル……。その地下で行われる賭けボクシングに魅了されながら抗い続ける人間達の生きざまを描いたハードボイルドストーリー。 +++++++ | テーマ | +++++++ ハードボイルド。 それを考えた時、僕はなぜかスギちゃんの「ワイルドだろぉ~」が浮かんでしまいました。 それは置いておいて、今回は雷人先生の「乾いた花 〈UNDERGROUND〉」の感想文です。 ハードボイルド溢れるヒューマンドラマです。 暴◯団とか半道徳的な描写が多いです。ハードボイルドだから、そりゃそうですよね。 残念ながら、18歳未満はお断りです。 ついでの紹介なんですが、雷人先生の作品ってめちゃくちゃカッコいいんですよ笑 タイトルやら表紙やら世界観の作りやら諸々……センスの良さが光ります。 ハードボイルドと聞いて、真っ先にスギちゃんが浮かぶ僕と大違いですm(_ _)m では、あらすじにあるように「人間の生きざま」をテーマに考察を述べていきましょうか。 ++++++ | 考察 | ++++++ ▶主な登場人物 【里中公平】 私立探偵をしている42歳。ワケありでヤクザとの付き合いもある。 作中ではカッコよく感じられたが、冷静になって思い返すとカッコいいクソ野郎に違いない(震) 【風城京也】 現役のプロボクサー。しかし、世間には内緒で闇ボクシングでも絶賛fight中。ダークサイドに落ちかけている30歳。果たして彼はこのままダークサイドに落ちてしまうのか。 ※実は、1ページ目「主要キャストとあらすじ」に登場人物が載せられています。登場人物が多いので、本編を読む前に簡単に目を通しておいた方が良いでしょう。 ▶主な設定 【賭けボクシング】 賭博です。こういう違法系はハードボイルドには付き物なのです( ̄+ー ̄) 【胴元】 賭博の主催者、親元です。 【ロートル】 別に重要な設定ではありませんが、最初にこの言葉を見た時「どういう意味じゃろ?」と思って調べました。 中国語で「老人」という意味らしいです。スポーツ界では「時代遅れ」のような意味で言われる事もあるそうです。 なんとなく察しがつくかもしれませんが、いい意味ではありません。よく知らない人に向かって言わないようにしましょう。 この作品においては、長年の付き合いからくる信頼表現のようなものですから。 ▶考察・読みどころ 新宿歌舞伎町の雑居ビルの深淵の地下で繰り広げられる、熱きボクシングの試合から、ストーリーが始まります。 新宿歌舞伎町の雑居ビルの深淵の地下…… 偏見は良くないです。わかってますが、言わせてください。 このワードだけでヤバい匂いがプンプンします。 そう、これはただのボクシングの試合ではありません。 賭けボクシングの試合です。はい、賭博です。 これは賭けボクシングに魅了された者たちの生きざまを描く、「群像劇」と感じました。 まさしく、ハードボイルドな熱いヒューマンドラマ。 熱い殴り合いに生き甲斐を感じる男×3名。 ギャンブルに生き甲斐を感じる61歳のおっさん。 賭けボクシングの魅力に目覚め、里中のファンになる女の子。 元プロボクサーで賭けボクシングの運営をする暴◯団組長。 賭けボクシングに目を瞑り、警察内部の揉み消しに必死な刑事。 わずか2万ぐらいの文字数に対して、これだけのキャラが動きます。登場人物が多い笑 その上、1ページの平均1857文字とエブリスタにしては多めです。 そしてハードボイルド。 こんなに濃密で大丈夫なんでしょうか。 しかし、そんな稀有もすぐに吹っ飛びます。 雷人先生って話の広げ方が上手くて、一節一節がスマートで読みやすいです。 なんだかんだで1ページがあっという間に読み終わるし、登場人物も把握しやすいです。あと、面白いです笑 先ほど、僕は群像劇と言いましたが、その中でもメインになるのは、現役プロボクサー「風城京也」と、傷害事件を起こした元プロボクサー「里中公平」なんでしょうか。 この2人、なんやかんやで胸の内に熱い気持ちを隠しています。側から見ると、完全に似たもの同士。 魂のぶつかり合いに飢えた、まさしく乾いた花の生きざまですね。 ついでに言うと、もう1人のプロボクサー、馬渕も同じ人種と思います。 もう、皆おバカさんなんだから……( ´Д`)y━・~~ ▶印象に残ったシーン 里中の裏ボクシングの試合がいいんです。 試合の緊張感が文章からヒシヒシと伝わります。一節を拾うごとに熱い試合が自分の脳内でどんどん広がっていきます。 特に、里中がKOを取る瞬間はまるで映画のワンシーンのようで、興奮しました。 純粋なカッコ良さがこのシーンに、ギュッと詰め込まれているんです。 あかん、これってカイジ現象だ。皆さん、少し冷静になってカイジをWikipediaで覗いてみてください。カイジって、主人公補正で主人公の貫禄を出してますけど、冷静に考えたら相当なクソ野郎ですよ笑 あと、ろくでもない男たちが多い中での紅一点のエミちゃんが天使。賭けボクシングも程々にしてね。 +++++++ | まとめ | +++++++ 僕はこの作品をベタ褒めしましたが、本音を言うと、恐らく人を選ぶんじゃないかなぁ、と感じました。 特に女性は受け付けないかな、て思ったり……^_^; ただ、刺さる人には刺さります。スターの数がそれを物語ってます。 特に試合シーンは読み応えありです。 さくっと読み終わりますので、ハードボイルドの世界に足を踏み入れたいと思う人は、ぜひ読んでみてください! ワイルドだろぉ〜! この感想文を読んで「乾いた花 〈UNDERGROUND〉」に興味を持たれましたら、ぜひ冒頭のURLからご覧ください。 最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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