Shining Days

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 一年前の春のことだ。  各クラスから選抜された美化委員が顔を合わせる最初の会議で、 「この学校を花で埋め尽くしてやろうじゃないか」  咲楽先輩は、いきなりそんな啖呵を切った。 「おーいいぞ、やれやれ」 「まーた変なこと言って」  そう言ってくすくすと笑っていたのは咲楽先輩と同じ三年生の生徒たち。あとのやつらはぼくも含めて呆然と咲楽先輩のことを見つめていた。  だって「学校を花で埋め尽くす」とか意味不明だ。  そんな戸惑いは露知らず、 「お前ら、体育祭実行委員や文化祭実行委員に比べると美化委員は地味だとか思ってないだろうな」  咲楽先輩は長い黒髪を手で払いながら、さらに発破をかけてくる。 「なんだかおもしろい人がいるな、この委員会」  横の席に座った友平が、ひそひそとぼくに耳打ちをしてきた。 「その認識はもう古いっ。私が委員長になったからには美化委員こそ全委員会の中で一番の花形であると知らしめてやる。文字通り、この学校を美しく化かしてやるよ」  そう言って、咲楽先輩は不敵に笑う。 「てか、渡辺が委員長なのかよ」  唐突に三年生からヤジが飛んだ。 「うるせぇな。じゃあ他にやりたいやつなんているのかよ」  噛みつく勢いで咲楽先輩がそれに応戦する。 「……」  そして、沈黙。  結局、一名の自薦者以外が全棄権という形で咲楽先輩が委員長の座を手にした。 「一年も二年もちゃんと付いてこいよ。一年後、美化委員に入ってよかったって思わせてやるから」
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