Shining Days

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 ぼくと友平は放課後や休日になると、大抵ムラタ商店の前でアメリカンドックを齧りながらスプライトを飲んでる。  まるで映画のワンシーンを何回も巻き戻して観ているみたいに。    この町だってそうだ。ここから見える景色はいつだって変わらない。  反対側の歩道をエコバックを下げて歩いているおばさんはいつもこのくらいの時間に買い物から帰ってくるし、斜め前に停まって乗客を吐き出しているバスも、いつもこの時間にはそこのバス停に留まっている。    町もぼくらと変わらない。味気のない毎日をひたすら繰り返し続けている。    だからこそ、咲楽先輩のような人に会うと世界が変わってしまうのだ。 「友平、最初の頃はだいぶ咲楽先輩に食って掛かってたね」 「そりゃそうだろ。意味分かんねぇもん」  友平がスプライトをぐびっとあおる。 「今じゃ想像できないけど」  からかうようにぼくは言った。 「だってあんなもん見せられたらよ、もうなんも言えねーだろ」 「それもそうだ。すごかったね、向日葵だらけの学校は」    鮮やかなあの光景を思い出す。 「俺、言葉がでないって体験初めてだった」  気づけば、ぼくも友平もアメリカンドックを食べ終わっていた。 「あの人の行動力には脱帽したよ、ホント」  魔法使いの杖のように残った棒を振りながら、友平が感嘆の声を上げる。    夏になり、咲楽先輩は本当に学校を美しく化かせてみせたのだ。
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