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2日目
相変わらず、ロボットの少女はそこにいた。
なにで動いているのかわからない体にはサビがこびりついている。
カラスは話しかけた。
「おはよう、ロボットのお嬢さん」
少女は目(なのかあまりわからないもの)を開ける。
「オハヨウ、きのうのカラスサン」
ロボットは首を傾げた。
「ナゼイル?」
カラスは少女の前に座り込んだ。
「いや、こっちも暇でね。仲間がみんな大陸を渡ってしまってちょうど話し相手が欲しかったんだ」
ロボットは錆びついた腕を少しだけカラスに伸ばした。
「ナゼそこにツイテいかなかッタ」
いやぁ、とカラスは苦笑だ。
「この街が好きでね」
少女はあたりを見渡す。キィ、と金属の擦れる音がビルに反響する。
「キタナイこのマチがすきカ?」
「昔はこうじゃなかったんだよ」
そう、こうじゃなかった。
「ソウカ」
少女は目(のようなもの)をとじた。
目を閉じることがロボットにとっての電源Offらしい。
カラスも一緒になって目を閉じた。
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