【BL】続・試してみましょう

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森川は、入社してきた時から、他の子たちと何か違った雰囲気を持っていた。熱心すぎるくらいになんでも覚えようとしていた。 俺が教えたことはどんどん吸収するし、応用も効く。仕事を任せれば、それにプラスして更に仕事をしてくれる。 本当にできがよくて、何を任せても大丈夫だ。  チャレンジ精神があるから、少し難しい案件でも頭を悩ませながら真剣に向き合ってひとりで残業していることもある。 いつもついついそんな森川に目がいってしまう。 だから、森川の同期の橘内さんに言われた。 『いつも森川くんのこと気にかけてますよね。』 橘内さんは森川と違ってできない仕事はやりたくないタイプ。そういう仕事は俺が引き受けている。 『穂積さん、助かりましたー。よかったー。納期間に合いましたー。穂積さん、いつもフォローありがとうございます。』 橘内さんがそんな風にあからさまに言ったのが森川の耳に入ったんだ。 『わたし、穂積さんとチームになって働いてるって感じがします。』 1人で頑張ってる森川に聞こえるように橘内さんは、なぜか勝ち誇ったように言った。 橘内さんは、俺がいつでも森川の支えになれるように準備してること知ってるくせに。 森川にしたら橘内さんに言われたこと面白くなくて当然だ。 だから、橘内さんのしたくない仕事を請け負ってる俺に怒って当然なんだ。 ごめんな、森川。
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