美しい王子様

7/8
前へ
/82ページ
次へ
戻ってきた俺の手に持つものを見て、王子は怯えてガタガタと震え出した。 「ははっ…そんな怯えんなよ、ただの定規とベルトと花瓶だろ?」 「うぐーっ!ひぐっ、えぐっ!」 「うるせーな」 「がはっ…!」 嗚咽で煩いから仕方なく腹キックして黙らせる。 「じゃあまずは〜定規から行こっか、鉄製かなぁ?結構固いね!」 膝の上に戻した王子の尻をさすりながら言う。 べチンッ! 「おお〜、良い音!」 べチンッ!べチンッ!べチンッ! 王子がまたびーびー泣き叫ぶ。 「そんなに泣いちゃって…痛い?」 首を傾げて聞くと泣きながら首を何度も縦に振る。 「そうだね、痛いね。君が怒った時、使用人の子達も痛かったと思うよ?」 べチンッ!べチンッ!べチンッ!べチンッ! 次はベルトだ〜と王子の身体を浮かせて俺も立つ。 ベルト振るなら勢いつけなきゃね。 ちょうどバックルが当たる位置に持って振り下ろす。 悲痛の叫びとベルトの乾いた音。 「よしよし、じゃあ最後のとっておき!君の大好きな花瓶だよ〜」 浮かせた王子の前に立って花瓶を見せつける。 顔面蒼白になってまた震えだす王子。 歯がガチガチ鳴ってて少し不気味だね。 「当たったらどうなっちゃうんだろうね?使用人さんの手みたいに血が出ちゃうかな?痛いだろうね〜」 必死に顔を横に振る王子。 もう声は出ないみたい。 「じゃ、行くよ〜」 王子の身体の側面に立って花瓶を振り上げる。 ま、さすがに花瓶当てたらまずいよな。 そんな僅かばかりの良心により、花瓶は振り下ろす時に角度を変えてベッドの板に当てた。 ガシャーンッ 「んがぁぁあああああーーーっっ!!!!」 なんか叫んでんだけど。 当ててないよ? チョロチョロと音が聞こえて下を見ると失禁したようだ。 「もう大人なのに、お漏らししちゃったね。そんなに怖かったの?」 調教スキルを解除してやって、王子の身体を抱きとめる。 ぶるぶる震えて嗚咽も止まらないようだから、ぎゅっと抱きしめて背中を一定のリズムでとんとんしてやる。 「ごめんね、怖かったね。もうしないからね、ゆっくり息吸って」 次第に震えがおさまってくる。 「…使用人さん達の気持ちわかった?」 何度も首を縦に振る王子。 「もうあんなことしない?」 「ひぐっ…うぅ…しない…っ、絶対しないです…っ!」 「うん、よしよし、いいこいいこ」 頭を撫でてやる。 これでもう馬鹿なことはしないだろ。
/82ページ

最初のコメントを投稿しよう!

23人が本棚に入れています
本棚に追加