23人が本棚に入れています
本棚に追加
王子も反省したことだし、帰ってソウに癒やされよ〜っと思って王子の身体を離して立ち上がろうとすると、
「嫌だっ…!」
すがりつかれた。
「あーもうなんもしないって。自分の部屋に戻るだけだから」
そう言っても俺の服を離そうとしない。
なんなんだこいつは。
まだ頭働いてないのか。
「もう怖いことないよ。ほら、離して」
指を1本ずつ離そうとするが意外にも力が強い。
「…ぃゃ…」
蚊の鳴くような声。
「なにが嫌なの?」
「行かないで…」
「は?」
何を言ってるんだ、こいつは。
「もう少しそばにいてほし…っ、修…」
お前をこんなに怖がらせた元凶俺なんだけど。
別人格だと思ってる?
「使用人の誰か呼んでくるよ、片付けさせなきゃ」
「いい。呼ばないで…」
お前片付けできないじゃん。
あとこの部屋臭いんだよ。
…と言いたかったが、なけなしの良心が咎めた。
「ん…わかった」
もう諦めた。
もっとぎゅっと抱きついてきた。
ステータスが光ってる。
なんだ…?
魅了スキル対象ルイ・ウィリアムス使用可能
嘘でしょ。
魅了スキルって俺のこと好きな奴にしか使えないんだよね…。
それが使用可能になったってことは、…こいつ俺のこと好きになったってこと?
DVとかに捕まるタイプだろ、こいつ。
やばすぎる。
……が、当初の目的じゃないとはいえ、魅了にかけとけば支配下に置けることになる。
また変な事しでかしたときに止められるし…
魅了スキルやっとくか。
最初のコメントを投稿しよう!