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「やっぱり石に喰われちゃたみたいね……ミズエ」
ハルナは薄ら笑いを浮かべる。
「もう、あなたは心の中で一生、過ごさないといけない……誰にも気づいてもらえず、ずっとずっとあなたの心は檻の中よ……」
ハルナはミズエの耳元で囁く。
「今度、私、タカシさんに告白しようかしら? 応援してくれる? 逐一報告してあげるわ。私とタカシさんの愛の関係をね……」
ハルナは楽しげに笑う。
ミズエにはその残酷な言葉は届いたが、ハルナにはそれに応える悲痛な言葉は届かなかった。
〈了〉
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