私の心は檻の中

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 ハルナから呼び出されたのは良く当たると言う噂の占い師がいる一軒家だった。そこは平日でも列をなす場所らしい。実はここに連れて来られたのは訳がある。私は占いなど非科学的なことは信じない人間だが、藁にも縋る思いだった。一目惚れした男性がいる。今までまともに恋をしたことのない私。しかし、まるで運命に導かれたのだと思えるほど心を掴まれた。その想いを親友のハルナに伝えたところ、良く当たる占い師がいて、占い師は良い方向にアドバイスしてくれると言うのだ。私は二つ返事でそこに行くことに決めた。  そして約一ヶ月後、私は何故かここにいる。目の前には憧れた彼が私に告白しようとしている。夢が叶ったはずだった。  ──私はここにいるのに……私はここにいるのに……──  私は何度も何度も叫んでいた──
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