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ミズエはまた、あの場所に足を運んでいた。相変わらずの行列だ。
「これで三回目……でもこれで達成出来そう……」
早く話を聞きたいと思ってしまう。もし許されるならこの列に並んでいる人間を押し退けてやりたい。私の願いを邪魔する人間にしか見えない。
偶然後ろから押され、ミズエはキッと後ろの女性を睨んだ。しかし、その女性からも逆に睨みつけられた。
ミズエは初めてこの列に並んだ時の異様な女性たちと何ら変わらない女性になりつつあった。ミズエの恋という名の欲望は心を埋め尽くしている。
──早く会いたい。早く聞かせて……どうすればいいか──
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