17人が本棚に入れています
本棚に追加
ハルナに連れられミズエは列に並んだ。
「ねぇ、ここ本当に当たるの?」
ミズエは不安に煽られるように小声で囁いた。もちろんこれからのことを知りたい気持ちは強い。しかし、もちろん良いことばかり言われるとは限らないのだ。例えば一人で占いをして結果が悪ければ何度も何度もあと一回と繰り返してしまう。何度も繰り返せばたまにいい結果が出るのは難しいことではないと思う。人の心理なんてそんなものだとミズエは冷めた目でいつも回りを見ていた。しかし、今回はそんな自分がその立場にいる。
「だから、こんなに列が出来てるんじゃないの? 当たるって評判だし、それに悪い結果でもちゃんとアドバイスをくれるからその悪い占いが覆ることもあるみたいだから」
「そうなのかな」
「それにここの列の大半はリピーターよ。それだけすごいんじゃないかな」
半信半疑なミズエはそれって心理学を悪用して洗脳してるんじゃないの? と言葉に出しそうになったが思い止まった。
「そうなの? でも話半分で聞いてみるわ」
ハルナにはそう伝えたが一目惚れという理不尽なものに虜にされてしまったミズエは疑いながらも期待せずにはいられなかった。
最初のコメントを投稿しよう!