私の心は檻の中

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 ミズエは躊躇うことなく参加を決めた。  そして仕事が終わり指定された場所へハルナと赴く。数名が集まっていたが、まだタカシの姿はなかった。  とりあえず時間になり会が開催される。しかしそれでもタカシは来ない。なんのために参加したのか分からない。時間は二時間ほどだと言われていたがすでに残り十五分ほどだった。 「今日はもう来ないのかな?」  ハルナに耳打ちするミズエ。 「クライアントの所で何かトラブルがあったみたいで戻るのが遅くなったみたいよ」  ハルナも残念そうに答える。 「そうなんだ……」  ハルナから知らせを受けた時は効果があったと思ったがあてが外れたと思った。あの気味悪い幸運の石なんてやっぱり詐欺に近いものだと思いバッグを覗き込んだ。 「えっ?」  ぎょっとした。目玉みたいな幸運の石、黒目が上を向き、目が合ったような気がした。その瞬間、一瞬に白目の部分が赤く染まる。 「何? これ?」  バッグの中を見ながら固まるミズエ。その時である。 「あの……隣いいですか?」  えっと思い見上げるミズエ。そこには息を切らしたタカシが微笑みながらミズエに話し掛けていた。 「なんとかギリギリ間に合ったみたいですね」 「何かトラブルがあったんですよね? ここでよろしければどうぞ……」  心配する表情を見せながらミズエは内心喜んだ。タカシは礼を伝えミズエの隣に座った。
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