禁忌の出発

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 就寝中の暗闇の自室内で、弟からの意味不明な言葉と始まった突然の痛み。熱い痛覚で、意識が一瞬飛んでしまい挿入物の確認ができなかったのだ。  俺は、初めての刺激で今薄っすらと残っている意識の中、自身の下腹部へ視線を移動させ目を細めると (━━━━ッ、嘘だろッ!?コイツ、自分のを━━)  絶句してしまった。  まさか、弟が天に反り立った自分の肉棒を俺の中にねじ込んでいたのだ。コイツも、中の締め付けで薄っすらと汗をかいていた。  今宵の満月の光で反射し、男の色気が増している相手。  俺の知らない嵐がいて、胸の奥がキュっ……と込み上がり、妙な感覚に落ちそうになってしまう。今でも、 「ふッ……、ん、はッ……締めすぎ。あ、ぁ、もう出そう……!」 と身勝手なことを譫言で漏らす、ポンコツに内心イラついてしまう。  いつもそうだ……。  長男の俺が、コイツが起こした面倒事を謝罪しに行っている。特に、十二支当主会議で。 ━━━━なのに、気持ちとは正反対にじわり、じわり、と生まれてくる快感。  それに尾ひれして反応している、起立している自身の性器。  鈴口から、とぷとぷと白濁が小刻みに噴水し。重力に沿って竿の裏筋を伝い落ちていき、敷布団へ情事の跡を残す。   「……っ、ふぅ、んッ、……ッ、やぁ……、あらし。もう、……ヤメ……」  認めたくない快楽に、必死に抵抗する俺。  明日、こんな俺と結婚してくれる許嫁への申し訳無さに生理的に出てくる涙。止めたくても止まらなくなり、濡れた枕からヒヤリと冷たさが感じる。  まるで、━━━奈落の底へ落とされていく自分自身の心境のように。  それに対して、進み続けてくる弟の魔羅。  中が気持ちが良いのか、無意識に小刻みに腰を揺らしている。  しかし、最悪なことはコレで終わらるはずもなかった。 「……あッ━━━━♡」 ━━━━━ 時が、止まった。  最奥へ進んでいる最中のできごとだった。  突然の色のある喘ぎ声に、驚いてしまう。快楽に溺れた女のような、ーー艶やかで甲高い声色。  それは、俺だけじゃなく嵐もだ。  コイツの尖端が、ゴリっと硬い箇所に当たり。  甘い電流が、━━━━━━脳に突き抜けたのだ。  同時に、身体中の毛穴からドッと汗が更に吹き出す。思わず、生娘のように身体が反り返ってしまう、俺。  快楽の鞭で強烈に叩かれ、思わず出てしまった艶のある喘ぎ声。  それが自分からだということに、羞恥心で死にたくなるくらい更に涙が出そうになってしまう。  揺さぶれるたびに、喉が灼けるような甘苦しい声が漏れ。戸惑いで頭の中が混乱、困惑で一色に強く染まっていく。   (なんで、こんなことに……? コイツが、俺の考え方に気にいらないのは承知してたけど……、ここまでするか!?普通ッ!?) 「……へぇ~~。此処なんだ!海里の良いトコロ。ココさ、お前の嫁さん……知らねぇよな♪」    こちらが、身内からの仕打ちに精神的にショックを受け、どん底にいる最中に。心底嬉しそうに言葉にするコイツ。  しかも、━━━━ 「これさ、明日の結婚式にお前の嫁さんに言ったらさ……、どんな反応するんだろうなぁ?」 と俺の耳元で最悪な脅しを小声で呟いた後、耳の中を舐めてくる始末。  恋人に甘えてくる彼氏のような行為に、心は怒涛、悲しみが混じって、殴りたい衝動で膨らんでいくばかり。━━━なのに、身体は受け入れ始めている。  その気持ち良さに、ぴくりと魚のように跳ね上がる身体。 「かぁわいなぁ〜〜、海里に・い・ちゃん♬気持ち良かった?なぁ??それじゃ……、」 ━━━━━━━ 続けても、大丈夫だな。    この一言にて。両手で、俺の腰を掴んできた嵐。━━━まるで、逃さぬようにと言わんばかりに。  これから、何が始まるのか頭が回らない俺。  されるがまま、相手から与えられる初めての快感に抵抗できなくなっていた。    俺たちの夜は、━━まだ続いていく。 **** ********  
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