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ガタン…感じた小さな空気の揺れと音でハッ…と意識が現実に引き戻される。隣のドアの音だ…開いている玄関の小窓から感じた気配に時間を見ると2:30…
珈琲大陸のイベント時間は10:55まで。通常の営業が11:00からだから、その前に解散ということね…それなら…中西さんは今まで誰と一緒だった?
そう思った時に、帰りに支えてくれたイケメンさんを思い出す。そして中西さんと彼が並んで歩くところを想像して…
“夫とは違う男の匂いに、自分の女が蘇るのを感じるんです”
という書き込みを思い出した。
その夜、私は布団を並べて寝る夫の布団へ…
「ぅ…ん?…無理…ママ…今日は無理だわ……俺……」
薄い掛け布団を捲り、体を半分滑り込ませたところで、本当に眠そうな夫が目を閉じたままつぶやく。背中を向けて拒絶するような素振りがない…そんな些細なことに安心してそっと自分の布団へ戻る。安心するしかないのよ…満足は出来なくても…
月に一度くらいの頻度ではあるけれど、私と夫はレスではない。これが普通だと今日までは特に不満はなかった。けれど…
“外での刺激があってこそ、家で夫とさらに熱情に包まれた”
そんな書き込みや、ママさんでありながら年齢より若く見える中西さんを思い出す今夜は、何かしらの種類の不満と悶々とした気持ちが渦巻き、明け方まで眠ることが出来なかった。
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