現場

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キョロキョロとしない…自然に振る舞って…新しく友達が出来る日よ… そう唱える心はドキドキしている。 実際に、男女数名ずつでわーっとお喋りするのが楽しみな人もいるらしいから、新しく友達が出来る日と思っていいはず。もちろん、今日はこの人と…と決めてゆっくりとお喋りするのが好みの人もいる。 予習はしっかりと出来ているから大丈夫、とお店の前に到着する。 しかもこの珈琲大陸のイベント時間は、他に調べた既婚者合コンのほぼ半分の短時間だ。途中の出入りも自由だし、可怪しいと感じれば出ればいい。 そう思って店のドアを開ける。重さも知っているので自然に入店出来た… 「おはようございます。ご来店ありがとうございます」 先日と同じ男性はもう“初めてですか?”とは聞かず、そっと木製カルトンに手を添えた。 あ…キャッシュカードで前払い…これも途中でさっと帰れる安心材料だわ。 「ありがとうございます。お好きなお席へどうぞ。お飲み物はすぐに伺います」 急にドキドキが倍増して、冷たい飲み物に決定、と思いながら、店内を覗くようにそーっと進む。 すぐにさっきの男性と同じ蝶ネクタイとベスト姿の女性と目が合い 「どうぞ」 と小さく会釈された。彼女はドリンクのオーダーを受けているようだ。その女性客とも目が合うと 「こんにちは。良かったら隣、どうぞ」 と声を掛けていただいた。テーブル席の向かいでなく隣へというところが慣れておられる? 「ありがとうございます。失礼します」 「いえいえ」 というやり取りの直後 「ご一緒していいですか?」 と爽やかなポロシャツ姿の男性が向かいの椅子に手を置いた。 「どうぞ。ケイコです」 「はじめまして、ケイコさん。スギです」 あ、私… 「風子です」
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