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「ごめんなさい…ちゃんと話をします…ちゃんと話をするから信じて欲しい…信じてもらえないようなこと…」
火曜は本当に何もないもの…
「…そんなことも起こってる……嘘ももう…ごめんなさい…ちゃんと話すから…」
「わかった、ちゃんと話をしてくれると信じて聞く。ただ…このまま中西さんも一緒に…巻き込んで本当に申し訳ないけれど……第三者にいて欲しい」
夫の言葉に
「秋山さん、わかりました」
「え…ハルくん……?」
と中西夫妻が反応した。
「推測と憶測では何も言えへんけど…もう話の流れがな…」
「あ…うん…」
「やったら、俺は同じ男として…秋山さんが手をあげたりっていう感情が湧き上がった時にストッパーになろうと思う」
「……わかった…千愛ちゃんがこれ以上悲しむことのないようにやね?」
「そう。千愛ちゃんを迎えに行った秋山さんの気持ちを考えると…俺は秋山さんに最後まで紳士でいて欲しいから」
もう中西夫妻が綺麗事を言おうが、私を見下そうが、事実を言うしかない状況には変わりなかった。
私は珈琲大陸に三度行って二度参加したこと。直美さんをホテル付近で見掛けたあと見張っていたこと。その火曜に雨に降られて一人でホテル利用したこと。そして木曜日に再び見張っているとき、珈琲大陸で知り合った男に誘われホテルへ行ったこと…を告白した。
「……信じるも何も…ヤッたと言ってるんだよな?」
「………………ごめんなさい」
「どうしたら千愛の帰りを忘れるようなことになる?俺は…そこが理解出来ない…一度魔が差したとして…その行為を許せても…鍵を持たない千愛の存在を忘れるってことが理解出来ないし、その神経が解せない…時間は分かるだろう?まだ7歳の千愛が、閉め出されたように…自分の家のドアと門を行き来して途方に暮れた…挙げ句…ママは知らない匂いで迎えに来たって…一生忘れられない負の記憶を作ってしまったんだよっ…」
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