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お忙しいのかしら…と思っていると中西さんの向こう隣の道角さん夫妻が出て来た。
「おはようございます。お揃いでウォーキングですか?」
「そうなのよ。ちょっと久しぶりね、お元気?」
「はい。こんなに近くでも会わない時には会わないですよねぇ」
70歳間近のお二人としばら〜く、ぺちゃくちゃとお喋りしていると、カチャ…
「あ、おはようございます」
出て来た中西さんが、ペコリと挨拶して鍵をかけ、もう一度会釈して出て行く。
「いってらっしゃい」
「いってきます」
道角さんの奥さんに振り向いて応えてから歩いて行く彼女は、幼稚園から帰って来た時と違う服を着ている。
「お仕事ですかね?道角さん、知ってます?」
「さあ?知らないね?」
「幼稚園の送迎をしているのは知ってるし、喋りもするけど、わざわざ亜優ちゃんの幼稚園の間は何してるの?なーんて聞かないもの」
ご主人と奥さん…そうですね。
「亜優ちゃんのお喋りが可愛らしいから声を掛けるんだけどね、あのお母さんもうちの花を見ていってくれたり気さくな人ね。秋山さんは相変わらず、おうちを綺麗にして偉いわね。じゃあ私達も行きましょうか、お父さん」
ウォーキングに出発する道角さんを見送り、反対へ歩いて行った中西さんは着替えてまで何処へ行ったのだろう…とまた少し気になった。
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