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時刻は23時02分
あのあと、柚葉と聡くんの馴れ初めを何故か蓮くんと一緒に聞かされ、もうお腹いっぱい帰りますと思ったところにずっと見ようと思っていた某有名バスケ漫画の上映会が始まった。
どうやら深月くんが観はじめたらしい。
あたしも思わず集中して観ていたら気づけばこんな時間になっていた、スラ◯ン恐るべし。
電車の時間もあるので帰る旨を伝えれば、同じく深月くんも立ち上がり、俺も帰るから途中まで一緒に行こうと誘ってくれた。
正直駅までの道なんて覚えてなかったのでありがたいと思い一緒に聡くんの家を後にした。
暗い夜道を深月くんの隣に並んで歩く。
夜風が頬を撫ぜるたび、お酒で熱った身体の体温を下げてくれるようで気持ちがいい。
隣を歩く深月くんをチラリ見上げてみる。
少し長めの黒髪にゆるくウェーブのかかった髪を左側だけ耳に掛けている、耳にはシルバーの小ぶりのピアスがひとつ、それが月の光に反射してキラリ輝いて見えた、目元は少し垂れ目で睫毛がしっかり周りを縁取っている、すっと伸びた小ぶりの鼻に、赤い唇がなんともエロい。
半袖から除く腕は意外と男らしく、ちょっと触ってみたい気持ちになった。
「深月くんって身長何センチ?」
156センチと平均的身長のあたしよりもだいぶ高く見える。
「ん〜、178とかかな?高校以来測ってないから縮んでなければ」
「ふふっ、そんな2、3年で縮んだりしないでしょ」
「確かに」
くすっ、と鼻にかけて笑った顔がなんともエロい。
ふと、さっきから深月くんに対してエロいとか触ってみたいとかそんなことばかり考えている自分に気づき、お酒が入ると人間の煩悩はエロへと行くのだと悟った。
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