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「はぁ、落ち着く、、、。」 あたしの肩口に顎を乗せながら深月くんがそう呟く。 いや、あたしは全然落ち着きませんけど? と、内心反論しつつも 「そうだね。」と口だけは同意を返しておく。 すると、あたしのお腹辺りでクロスされている手がもっと密着するようにとキュッと力が込められ、あたしと深月くんの間の隙間は最初から0センチだったはずなのに、圧迫感からかなんだかもっと近づいた気がした。 そのまま肩へと優しいキスが落とされる。 ちゅっちゅっと、音を立てて肩へと吸い付くたび、浴室なこともあってやけにそれが反響してなんだかとても恥ずかしかった。 「っ、くすぐったいよ、深月くん。」 そう言って肩を少しすくめてみせる。 「ん〜…、でもこう目の前にあるとついね?」 あたしの首やらうなじやら、いたるところにちゅっちゅっ、と繰り返しキスをされなんだか気が気じゃない。 「ねぇ、、、も、やだっ。」 堪らず、少し振り返りながらやめてほしいと主張すれば 「ん〜…、じゃあこっち。」と、顎をグイッと持ち上げられ、そのまま唇へとキスが落とされる。 「っん、、、、っ、、、はぁ、、」 予想外のキスにびっくりしたけど、絡みつく舌があたしの思考を溶かしていく。 一旦唇が離れると、くるり、器用に向かい合う形で深月くんの上へと座らせられる。いつもならあたしが見上げるはずの顔が今は少し下にある為、あたしが深月くんを見下ろす形となる。 いつもとは違う光景になんだかやけに心臓の鼓動が早くなるのを感じた。 あたしを下から少し見上げるように 「ね、キスして?」 と、ずいぶん色っぽくおねだりされ、クッと一瞬あたしの呼吸が止まる。 「っ、、あたし、から、?」 「ん、おねがい。」 少し目を細めて、あたしの唇をクイッと親指でなぞり上げる。そのまま人差し指が口の中へと侵入し、あたしの舌をくるくると刺激する 続けて 「俺のこと雪乃ちゃんが気持ちよくさせて?」 そう言って、あたしの心臓にトドメを刺された。
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